2024 11,22 19:50 |
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2013 12,26 05:01 |
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はい、前回の記事で14日に感想を書くとかいっておきながら、
結局1週間以上も遅れてしまいました。スイマセンm(_ _)m 「叛逆の物語」、LAで公開されてから3回見に行きました。 同じ映画を3回もわざわざ映画館に行って見るなんて、人生初の体験ですよ全く。 にも関わらず、ホントに毎回見るたびに新しい発見、新しい感想が生まれるので、 できればまだまだ何度でも見たいという気持ちです。 (残念ながらLAでの公開はもう終了してしまったので、BD待ちですが) さて・・・新編に対する考察・感想を、 このブログに記しておきたいと思います。 当然ながらネタバレ満載なので、未観賞の方がいましたら閲覧はご遠慮ください。 初見の時は、ただただその怒涛のストーリー展開に翻弄されていました。特に後半部分。 前半はむしろ非常に伝統的な起承転結に沿った展開だったので、 (起……冒頭のナイトメア退治、学校での日常生活 承……仁美のナイトメア退治 転……ほむらが違和感を感じ始める、バスのシーン、マミとの戦闘、さやかとの会話 結……ほむらが自分が魔女になった事を知り、QBによって真実が告げられる) この段階までは、観客はむしろ「安心して見れている」状態なんですね。 少なくとも僕は、ほむらの魔女化に悲しみながらも、 「やはりこういう展開だったか・・・」と心のどこかでは思っていました。 しかしまどか☆マギカは見事にその考えを逆手に取りました。 ほむら魔女化の後は、激しい「転」とフェイクの「結」が連発され、観客の予想を(いい意味で)裏切り、 やがては前半部分にあった安心感が嘘だったかのように、観客の心理を翻弄します。 転……ほむらが結果内で自ら滅ぶ事を決意 転……まどか達がほむらを救いに来る。QBの干渉遮断フィールドを破壊 結(フェイク)……まどか(円環の理)がほむらの魂を救済する 転……ほむら、円環の理の一部を奪い取り、世界を書き換え、悪魔と化する 結……改変された世界で、まどかは普通の中学生として転校してくる 転(フェイク)……まどかが円環の理としての記憶を取り戻しかける 結……ほむらによってそれが抑え込まれる。以降、まどか達は全員、普通で幸せな毎日を送る(ように見える) 結??……ED後、ほむらが一人で孤独に踊り、ダークオーブを見つめながら崖から落ちていく このように、一体どの方向に転がるか全く予想がつかないストーリー展開によって、 初見の時は終始制作陣の掌の上に踊らされているような感覚でした・・・ まるで暗闇の中のジェットコースターに乗ってるような感じです(イヤな例えですがw) でもそんな感覚が大好きだぜ。 むしろまどマギのストーリーはTVの頃からこんな感じでしたし、こうであるべきなんですよ。 と、まぁストーリーについてグダグダ言いましたが、 新編に関しては、その映像の素晴らしさにも感嘆せざるを得ません。 一言で言えば・・・あらゆる斬新な要素を取り入れているのに、きちんとストーリーに沿っているという事なんですね。 一番特記すべきなのはもちろん、TV版の時からふんだんに使用されていた劇団イヌカレーさんのアヴァンギャルドな空間設計なんですが、 今回はその中でも「バレエ」のモチーフが非常にいい味を出していたと思います。 ナイトメアの手下のバレリーナ、魔法少女達の変身シーン、ED後のほむらの孤独な踊り・・・ 様々なところでバレエの動きが見れるのですが、 単に動きだけでなく、有名なバレエのストーリーやシンボルも映像の中で再現されていたりします。 中でもほむらの魔女「くるみ割りの魔女」には衝撃を受けましたね。まさか魔女の表現にチャイコフスキーの三大バレエの一つ「くるみ割り人形」を使ってくるとは思いませんでした。 しかも、このバレエのモチーフもただ「面白いから」使われているわけではなく、 ちゃんと新編の物語に沿っているんですね。 例えば「くるみ割り人形」。このバレエは少女クララが見る夢のお話なんですが、 本人は夢から覚めた後でも、それが夢だったのか現実だったのかわからずにいます。 そして最後に彼女は、夢の中で素敵な王子様になっていたくるみ割り人形に話しかけようとします。 これは「それが夢だったとしたら、いっそずっと夢を見続けていたい、というクララの心情の表れ」と解釈されているんですが、 これはまさに新編での魔女ほむらの心情そのものですよね。 まどか達との幸せな時間は、自分の結界の中で作られた妄想の世界でしかなかった。 しかし、夢から覚めようとすれば、QBに円環の理を観測され、まどかの犠牲を無駄にしてしまう。 ならばいっそ、このまま夢を見続け、結界の中で魔女として滅んでやろう―― そんな心情を表すべく、ほむらの魔女結界に「くるみ割り人形」のモチーフを用いたのではないでしょうか。 これを考案した製作スタッフの感性に、脱帽です。 初見の時は、前述のように怒涛のストーリー展開に翻弄されてしまったため、 バレエのモチーフにも気づけなかったのですが、 2回目以降の観賞でやっとそのモチーフの意味に気づき、思わず劇場で泣きそうになりました。 ・・・まぁ、もちろん自力ではなく考察スレなども参考にして気づいたんですけどねw (ちなみに三大バレエの他の二つ、「白鳥の湖」と「眠れる森の美女」もモチーフとして映像に使われていますね。この二つとストーリーの関係性は、「くるみ割り人形」ほど強いわけではありませんでしたが) もちろん、イヌカレー空間やバレエのモチーフなど芸術的な映像だけに限らず、 ほむらとマミさんの戦闘シーンのような、迫力満点のアクション映像も素晴らしかったです。 海外上映向けのキャストコメントにて、マミさん役の水橋さんは新編の見所を聞かれて「ハリウッドスタイルの戦闘シーン」と答えましたが、 あの戦闘シーンはまさにハリウッドのガンアクションをそのままアニメにした、という感じでしたね。 迫力、緊張感、爽快感……アクションシーンとしてはほぼ完璧に近い出来でした。 さて、最後に触れなければいけないのはやはり新編における音楽。 劇場版前後編の感想記事などでは、いろいろ文句を言ってたりしましたが、 今回は全く非の付け所がありませんでした。 特に全編にわたって聞こえる「まだダメよ」のテーマのアレンジ。 前回の劇場版では「Sis Puella Magica」のアレンジが、結局ほとんどアレンジされていないとか言っていましたが、 今回の「まだダメよ」は、時に同じ曲とは思えないほどラディカルなアレンジがされていましたね。しかもそのアレンジが物語の起承転結にピッタリマッチしているっていうのがスゴイ。 具体的には: 起……冒頭のナイトメア退治→テーマの提示(旋律的短音階、3拍子、ボーカル) 楽しい童話的なイメージ ほむらとまどかの会話→優しげなハーブ、アダージオ 承……仁美のナイトメア退治→4拍子、激しいストリングス、アレグロ 転……ほむらが杏子に相談→アコーディオンによる和音的短音階、メロディに変化 バスのシーン→アンビエント、ノンコード、 「Gott ist tot」のシーン→オルゴールから重いストリングス 結(フェイク)……魔女ほむらの葬列→4拍子、付点リズム アコーディオンによる和音的短音階、アレグロ もはや原型を留めないほど変化するメロディ (この間の怒涛の展開ではほとんど使われない) 結……世界改変後→アンビエント ED後のほむらの孤独な踊り→旋律的短音階、3拍子、アコーディオン、ワルツ風 しかしどこか空虚で、寂しげな雰囲気 といった具合に、物語の「起」と共にテーマが提示された後、 物語が「承」、「転」と進行するにつれ、テーマのアレンジは4拍子になったり、和音的短音階になったり、付点リズムになったり、どんどん原型を失っていきますが、 終幕の頃には、もとの3拍子の旋律的短音階に戻っています。 しかし、それは「起」で流れていたような楽しい童話ではなく、 孤独で、どこか虚しさを感じるワルツ。 「まどかの平和は取り戻したものの、それはほむらが結果内で思い描いた理想とは違っていた」という、今回の物語をうまく表しているんじゃないかと思います。 (あと、「孤独なワルツ」というのもよく考えたら面白い撞着語法ですよね。ワルツって普通男女二人で踊るものですから。ほむらはまどかのためを思うあまり、結局TV版のまどかと同じ間違いをし、自分を「一人ぼっち」にしてしまったのですね) もちろん、「まだダメよ」の他にも、新編には素晴らしい音楽が数多くありました。 個人的にツボだったのは魔法少女達の変身シーンのBGMでしたね。彼女達のテーマをアレンジし、メドレーみたいにつなげたものなのですが、このアレンジもまた面白い。 雰囲気もリズムも音階も全く違うはずの「Salve, terrae magicae」、「Venari Strigas」、「Decretum」、「Puella in somnio」、そして「Sagitta luminis」を、 あれほど自然につなげるとは・・・想像もしてませんでした。 当たり前の事ですが、改めて梶浦さんがどれだけ素晴らしい作曲家なのかを、改めて知る事ができた気がします。 あと、OPテーマの「カラフル」、挿入歌の「misterioso」、EDテーマの「君の銀の庭」。 曲風が全然違う3曲のはずなのに、 どれも「叛逆の物語」の世界観を上手く凝縮して表せていると思いました。 今となってはどれを聞いても、映画の内容を思い出しては泣きそうになる事があります・・・ (この3曲に関しては、関連するギター動画をうpした時に詳しく語ろうと思います) まぁこんなに長々と語った結果、何が言いたかったのかといいますと、 ストーリー、映像、音楽、 そして(この記事では触れてませんが)声優さん達の演技など、 あらゆる要素で [新編]叛逆の物語 は完璧に近い作品でした。 何べん言っても言い足りないくらいに、素晴らしい作品でした。 批判できる要素を探すのがむしろ困難なぐらいです。 (強いて言えばQBの説明が長い事でしょうか・・・ww) インタビューなどで声優陣の皆さんがよくおっしゃっていた事なんですが、 この作品は本当にスタッフに愛されて作られているんだなぁ、と心から思いました。 作品への愛がなければ、ここまでストーリー、映像、音楽、演技にこだわり、完璧を追求する事なんて出来なかったでしょうしね。 そんな素晴らしい作品を、自分も愛せてよかったな、とつくづく思います。 続編が出るかどうかはわからないですが、もし出るのだとすれば、 一まどマギファンとして、最後まで付き合わせていただきたいと思っております。 それでは最後に。 劇場版魔法少女まどか☆マギカ製作スタッフの皆様、お疲れ様でした! こんなに素晴らしい作品を届けてくださって、ありがとうございます!! 応援してますので、これからも頑張ってください! ・・・あれ、これ去年もやったような(笑) PR |
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